もうすぐ9月9日、菊の節句・重陽の節句が訪れます。
9という数字は「陽の極み」であり、その数字が重なるので
重陽の節句とも言われています。邪気を払い、長寿を願って菊の花を飾ったり酒を飲み交わしてお祝いしたりする日です。
さて、この菊の節句から、御先祖様が喜ぶ花をご紹介致します。
肉体のない御先祖様が喜ぶのは、「香り」が一番です。
お供えの香り、お線香の香り、そして花の香り。
それが一番の慰めと癒やしになるそうです。
家によっては、暑い夏などすぐに花が枯れてしまうので横着して造花を置いている家もありますが、あまりそれはオススメ出来ません。
そんな時は、花をお供えするのにこだわらず、自分が食べるご飯をお供え物として捧げた後すぐに食べるとか、お線香の香りを届けるくらいで良いでしょう。少し厳しい言い方をすれば、生花をけちる家には繁栄する余裕がない。と言ってしまえます。
何故なら、気持ちは行動に顕われます。自分ではない他者を思いやる気持ちのゆとりの初歩となるのが、今を生きる私達の命を繋いでくれた御先祖様への感謝だと考えるからです。
中には、とうてい感謝など出来る気持ちになれない御先祖さんもいるかと思います。それはそれでいいと思います。許す気持ちになれないのに、許した上に更に感謝しろ。というのは実際には酷な話です。ですが、何代も続く家系の中には素晴らしい方もいらっしゃるものです。その方々をも否定する事はありません。
話が逸れましたが、なるべく生花を生ける余裕を保って欲しいものです。
とはいえ、どうしても家計に余裕がない場合、また、お仏壇すら用意出来ないご家庭もあると思います。そういった場合は、タンスの上に簡易な御先祖様への感謝の気持ちを伝えられる祭壇を用意して、手を合わせるだけで充分です。大切なのは気持ちですから。
*祭壇にはお線香やロウソクなどの火を用いますので、火事にはくれぐれも注意が必要です。火事が心配な場合は、お線香や灯明を上げるのは辞めにして、余裕のある時に供物や菊の花1輪だけでいいのでお供えしましょう。お線香や灯明はお墓参りの時にすれば良いでしょう。(火事の心配ないですからね)
さて、話を戻しましょう。
御先祖さまが生前愛していた花をお仏壇に供えられる方がいます。
それは、故人を偲ぶ上で尊い事に間違いはありません。
ですが、お供えしてはいけない花もあると聞きます。
私が知る限りでは、「薔薇」と「椿」です。
薔薇には棘があるので、御先祖さんは嫌がります。
椿は頭からポロッと取れてしまうので忌み嫌われます。
文頭に、御先祖様は香りを楽しむと書きました。
薔薇も椿も良い香りがします。
ですが、その中にあっても、好まれないものがあるのです。
どうしてもそれらの花をお供えしたいのであれば、
薔薇の棘をひとつひとつ摘んでからお供えしましょう。
若しくは、仏壇に供えるというよりは、すこし離れた卓上に花瓶に挿して置いておくと良いでしょう。
お花屋さんに置いてある「仏花」は基本を守っているので間違いが
ありません。
特に菊の花は御先祖さんへ香りが届きやすい花として好まれます。
重陽の節句の日に、お仏壇に菊の花をたった1輪だけでもいいのでお供えして、御先祖様を偲びつつ、長寿と日々の安寧と発展を願って、菊の花をお酒に浮かべて一献楽しむのはいかがでしょう?
貴方が楽しく現世を生きる姿を御先祖様に見せて差し上げると本当に喜ばれると思います。
何故なら、限りない愛を注いでくれた御先祖様がいたから、今の貴方が在るのですから。
私個人の意見の域は超えられませんが心の片隅に置いておいて欲しいと思います。
極楽浄土や天国があるのかないのか、御先祖様の気持ちとか正直分からないのですが、理解しようとすればするほど、気持ちが和んでくるから不思議です。
どうぞご参考になさってください。
最後までお読み下さりありがとうございました。
次回は「嫁ぐということ」についてお話したいと思います。